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基礎編14:年金分割

最近「熟年離婚が増えている」という見出しを新聞や雑誌で何度も見かけたことがあります。では実際にどれくらいの割合で、熟年の方の離婚が増えているのかを調べてみました。

1945年〜1970年までは熟年の方の離婚割合は全体の5%くらいだったものが、1983年には10%を突破し、現在は16.6%と高い割合になってきています。

さて、熟年離婚で問題になるのはやはり「お金」の問題ではないでしょうか。そこで登場するのが「財産分与」という言葉です。では財産とはどのようなものがあるでしょうか。まず思い浮かぶのが現金や不動産かもしれません。その他には有価証券(株や社債)家具や家電なども財産の範囲になります。ちょっと意外かもしれませんが「退職金」も分割できる財産になります。

この「財産分与」ではどのように分けるかがよく問題になるかもしれません。基本的には夫と妻で2分の1ずつ分け合うのが理想的ではないかと思われます。そしてもう一つ分割できる財産として「年金」が挙げられます。

年金の夫婦間での分割は平成19年4月1日以降に離婚された方から適用になりました。年金は階段式になっていて、1階部分を基礎年金、2階部分を厚生年金、3階部分を企業年金と大まかに分けられます。離婚によって分割されるのは、2階部分の厚生年金と3階部分の企業年金となります。基本的には話し合いなどにより夫婦間で上限2分の1まで分割できるとされています。

その後平成20年4月1日以降に婚姻し、離婚することとなった場合、請求すれば年金分割の話し合いなしでも自動的に2分の1まで分割される「3号分割制度」が始まりました。これは事実婚(籍に入っていない場合)でも適用され、配偶者の扶養家族に入り3号被保険者であればこの制度が使えます。

最近は主夫として男性が家事をして、奥さんが働きに行くという家族の形もあります。その時は奥さんが会社員などで厚生年金をもらっている場合は、専業で家事をしているご主人は奥さんの厚生年金を分割してもらえるということも考えられます。

それにしても離婚というものは結婚をする時よりも、かなりストレスがかかるとも言われています。そして実際に離婚をした後、財産分与等で今までのライフスタイルを厳しいものに変えないといけなくなる可能性もあります。そのようなことが起こる前にまず専門家の方(ファイナンシャルプランナーや司法書士など)に相談することをお勧めします。

離婚となると、すぐに弁護士に相談する方もいるかもしれません。お金のことであれば専門家のファイナンシャルプランナーにまず相談してみるのも、一つの解決策になると思います。離婚というととかく感情的になってしまい、その後の生活のことを考える余裕がない時もあるかもしれません。そのような時は中立的にお金の面からアドバイスをもらうことも客観的に離婚を考える1つの方法かもしれません。そしてまた司法書士に相談すれば、もし財産分与が実際に行われる時の名義変更や、離婚協議書の作成サポートなど実務の専門家ですので的確なアドバイスをもらえます。

まずは一人で悩まず、専門家の知恵を借りることで、より良い将来の選択をすることが大切なのではないでしょうか。