医師の患者体験記
先日、身内の者が脳動脈瘤の治療を受けました。といっても、開頭手術ではなく、血管内治療です。体への負担は比較的低く、合併症なく経過すれば治療後1週間から10日程度で退院できる治療です。
私は職業柄、病気および治療に対する基礎的レベルの知識は持ち合わせていましたが、いざ身内の治療となると、柄にもなく緊張し、食事がいつも以上に喉を通りませんでした。
治療当日はいつも以上に早く目が覚め、何かしていないと落ち着かず、無駄に大量の朝ごはんを作ってしまいました。
治療に必要な時間は1時間30分程度と聞いていたので、いざ治療が開始され、1時間30分経過したときには、落ち着きなく、とくに用事がないにも関わらずコンビニやトイレにいく回数が急増しましたし、さらに3時間経過しても音沙汰のないときにはトラブル発生を危惧しました。
幸い合併症なく治療は終了し、治療後も経過はおおむね順調で、治療後4日目でのスピード退院となりました。
患者の家族として、気付いた点を挙げます。
まず、すごく院内の物音が気になりました。足音を聞いただけで、入院患者さんのものか、お見舞いにきた方のものか、医師のものか、看護師および薬剤師、看護助手やその他コメディカルのものか、わかってしまうんですね。
やはり気になったのは、当直あけかはわかりませんが、薄汚い白衣のボタンをとめず羽織ったまま、爪ののびた、きたない裸足でつっかけをはいた医師の足音です。身なりが不潔な医師に清潔操作(無菌操作)ができているのか、こんなにも不安になるんですね。さらには看護師の言動も気になる点がいくつもありました。
あと5分したら御面会していただけます、と我々に話したにもかかわらず、いつになっても案内がありませんでしたので、こちらから5分経過しましたが、、、と話しかけると、そんなこといいましたっけ、と返答される始末。こちらがどんな気持ちで面会を待っているのか、そんな気持ちは知る由もないのでしょうね。
その他、あげはじめるときりがありません。
医療サイドが話した内容を、患者サイドはこんなにも一言一句重く受け止めるんだなと実感しました。
いくら体への負担は低いとはいえ、患者にとっては命をかけた治療です。この治療を受けた方は、ほとんどの人は大丈夫だから、と医療サイドは認識し、そう説明しますが、、私にとってはたった一人のかけがえのない家族です。
これから、今以上に誠意をもって、診療にあたろうと心に誓いました。
たまには立場を変えてみるのも自分磨きにはよいかもしれませんね。
以上よめのうんちくでした~
<めいちゃん>