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第10回 特別受益<相続法編>

今回は、特別受益についてです。

共同相続人の中に、被相続人から生前贈与または遺贈を受けた者(特別受益者)がいる場合、相続人間の公平を図るため、具体的相続分を修正する制度です。

生前贈与・遺贈の内容としては、1つは婚姻・養子縁組のための贈与で、具体的には持参金・嫁入り道具・支度金などです。もう1つは、生計の資本としての贈与で、兄弟のうち1人だけが大学に行かせてもらった場合や、会社経営の営業資金を援助してもらったなどです。

特別受益者の具体的相続分の計算方法

みなし相続財産(相続開始時の財産の価格+相続人が受けた贈与の額)×相続分-(その者が受けた贈与・遺贈の価格)

具体例:Aが被相続人、BがAの妻、CDがAB間の子供

相続開始当時のAの財産の価格:600万円

Bが受けた遺贈の価格:300万円

Cが生計の資本として受けた贈与の価格:200万円

具体的計算

Bの相続分:(600万円+200万円)×2/4-300万円=100万円(他に遺贈300万円)

Cの相続分:(600万円+200万円)×1/4-200万円=0(他に生前贈与200万円)

Dの相続分:(600万円+200万円)×1/4=200万円

具体的に計算してみると公平になりますね。ただし、相続債権者との関係では、各共同相続人は本来の相続分に応じて債務を負担するのであって、特別受益の有無は関係ありません。

実際に特別受益を主張する相続人は少ないかと思いますが、争いになって裁判等で決める場合には相続分を加味されるケースが多くなるかと思います。

 

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