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第20回 相続人の不存在<相続法編>

今回は相続人の不存在についてです。

亡くなった方に家族が全くいなかったり、相続人が相続放棄をするなどして、相続人が全くいない状態を相続人の不存在といいます。相続人がいない場合、被相続人の財産はどうなるのかというのを定めたのが相続人不存在に関する制度です。

相続人がいることが明らかでない場合、被相続人に対する債権者などから裁判所に相続財産管理人の選任を申し立てます。相続財産管理人は、公告をすることにより相続債権者に請求してもらうよう周知し、請求されれば、相続財産の範囲内で弁済をすることになります。

また、相続人がいない場合でも、内縁の妻や事実上の養子など、相続権はないけど相続人と同じような立場の方に財産を承継させる特別縁故者という制度があります。この特別縁故者かどうかの判断基準は、①被相続人と生計を同じくしていた者、②相続人の療養看護に努めた者、③特別の縁故があった者、とされており裁判所により判断されます。自分が特別縁故者にあたると思ったら、家庭裁判所にその旨を請求する必要があります。

相続債権者に弁済しても財産が残り、特別縁故者もいない場合には、最終的には国庫に帰属されます。

借金が多い場合に相続放棄をすることにより、相続人不存在になることがよくあります。また家族がおらずに相続人不存在になることも今後増えてくるものと思われます。ただ特別縁故者として認められるかは被相続人とどのくらい接しているか何をしてあげているかにもよりますので、簡単に認められるわけではありません。

相続人不存在の手続きはとても煩雑です。相続人になる人がいないとわかっているのであれば、お亡くなりになる前に遺言で自分の財産をどうして欲しいのか意思表示をしておくことが大切ですね。

 

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