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相続放棄の最高裁初判断

相続放棄の熟慮期間3ヶ月の始まりについて
最高裁判所が新しい判断を示しました。

民法上この熟慮期間の開始は、
相続人が自分のために相続が
あったことを知ったときから、
となっています。

知った時というのは、
被相続人が亡くなったことを知ったときや、
亡くなったことは知っているが、
債務があることは亡くなって4ケ月目に
知ったという場合にも、
その4ケ月目から熟慮期間が開始します。

今回は、再転相続人の相続放棄の期間は、
いつから始まるのかというのが論点でした。

今回の事例は、伯父さんに借金があり、
伯父さんの子供はすぐに相続放棄をしたため、
今回の原告の父親が相続をすることになったが、
相続放棄の熟慮期間中に父親が亡くなったケース。

伯父さんの債権者は、
原告の父親が亡くなった時から、
原告の熟慮期間が開始すると主張しました。

原告は自分が相続人になったことを
知ったときからと主張しました。

つまり債権者からの通知があったときが
熟慮期間の開始だということです。

最高裁は、原告の主張を認め、
原告が伯父の借金の相続人となったことを
知ったときから3ケ月だと判断しました。

債権者側は、父親の熟慮期間を原告が
承継したと主張したのでしょう。

どっちの立場もわからないではないですが、
民法の趣旨からして最高裁の判断は
当然と言えば当然ですね。

最近、相続放棄のご相談も多くなっています。

借金があるという理由だけではなく、
例えば、兄弟相続でその子供世代が
相続人になったいるときに、
疎遠になっていて関わりたくない、
ということも多いように思います。

熟慮期間はあっという間ですので、
相続が発生したら、
すぐに色々と検討する必要がありますね。